日本人から大切な能力が消えようとしている(洛西の真塾より)
2020/01/16
ブログ
ある作曲家が雑誌に次のようなことを書いておられた。
「今の時代はギターで弾いたメロディーを録音しただけの音源から完成品をイメージできるディレクターが少なくなってきた。若いディレクターは完成品に近いものでないと、質の判断ができないようです。」
読んでいて「どの世界も同じ現象が起こっているんだなあ。」という気がした。
というのは、塾に初めて来られたお母さんから
「うちの子は計算はできるのですが、文章題がどうも苦手で。何とか文章題が解けるようにしてください。」
と頼まれることがよくある。 また、中学生で社会の点数が伸びない子の答案用紙を見ると、重要語句は覚えているのだが問題を読み取れていないという事がよくある。どちらの場合も、算数や社会が苦手なのではなく、「読んだことをイメージする力」が不足しているのだ。そして、これこそが一朝一夕で身につくものではないので困ってしまう。
このような「想像力」を養うには、小学校に入るまでの子供の環境や親の子供への接し方、「絵本の読み聞かせ」などが非常に重要なのに、ほとんどの場合それができていない。だから3年生以上になると、お母さんたちが思っておられるほど簡単には成績は上がらない。
「想像力」を伸ばさないで訓練だけを繰り返しても、根本的には何も変わらないのだ。